那須湯本にある老松温泉
この温泉は廃墟や温泉マニアの間ではとても有名な場所でテレビなどにも取り上げられている。
なんでも、見た目が廃墟そのものだと言う。
廃墟は全国多々あるが、まだ営業しており完全に廃墟ではないと言う点に惹かれる。
完全に白骨化していない死体を観に行く気分というか。
・・・さっきから失礼極まりないですね。
しかし廃業の噂が囁かれている。廃業になってしまったら完全な廃墟になってしまうではないか。廃業になる前になんとしてでも行かなければ!と那須湯本へ。
少し分かりづらい場所にある為、Google先生に教えを乞いながら探す。
駐車場から少し歩くと普通の家らしき建物がみえる
Google先生曰くこの左に見える家が老松温泉の様だが、本当に温泉なのか…?
半信半疑だったが建物の目の前まで来てみると「名湯 老松温泉」の看板が!
本当に温泉だった…!
そして
わわ
あわわわわ
数々のブログでみた風景であったが生で見るとかなりの衝撃
ハリケーンでも来たんか。ここはフロリダか。と思ってしまうレベル。
無駄に多い消化器も気になる。
これ本当に中に入れるの…?と思い再び正面の戸の前へ。
戸の張り紙をみると、まだちゃんと営業している様だ。良かった。
しかも年中無休・夜20時までやっている。お元気。
受付は後ろですと書いてあったので振り向くと
家やん。
人ん家やん。
これ入っていいの…?
恐る恐る戸を引くとどこからかテレビの音がする。飲みかけのジュースもある。しかし人の気配がない。
「すみませーーーーん!!!!!!!!」
シーーーーーーーン・・・・・
留守なのだろうか。ここまで来て温泉に入れないオチは勘弁してほしい。
もしかしたら温泉の方にいるのでは?と思い、温泉の戸を引き再び叫ぶ
「すみませええええええん!!!!!!」
「は〜〜い〜〜〜〜〜〜〜」
1階からおじいちゃんの声がする。
「お店の人ですかぁぁぁ!?」
下の階で且つおじいちゃんという事で出せる最大レベルの大声を出す。
「そうです〜〜〜お風呂ですか〜〜」
「そうでぇええええええす!!!!大人1人でええええええええええす!!!!!」
うるさい。
「500円持って1階まで来てください〜〜〜」
「はぁあああああああい!!!!!!!!」
靴を脱ぎスリッパに履き替える。
少し進むとすぐに下へ降りる階段が。
エモ・階段を降りる
訪れたのは16時頃だったが、1階も薄暗く、軽くホラー。
お化け屋敷のセットみたいだな〜と思って色々ジロジロ見ていると
突然引き戸からおじいちゃんが出てきて小さく叫びかけた。リアルお化け屋敷か。
「大人1人500円ね〜〜」
恐る恐る500円を渡し、それをヨロヨロとポケットへしまうおじいちゃん。
「今女の人が2人入ってるよ〜〜〜〜ごゆっくり〜〜〜」
お客さんいるんだ!!!!静かだから1人かと思った。
案内された方へ向かうと男湯と女湯の暖簾が。
湯は混浴ではなく、男女に分かれている。
女湯の戸を開けるとちょうどおばあさんが出てきてまた小さく叫びかけた。
不意打ちおばあさんは心臓に悪い。
「1人おばさんが入ってるよ〜」
なぜか教えてくれた。親切おばあさん。
脱衣所入ると床が驚くほどベコベコ。穴開けたら弁償しないといけないのだろうか・・・そういった怖さもある温泉は中々ない。
中へ入ると湯船は2つあり、1つだけ湯が張ってあった。
髪洗うとことか無いの…?と全裸でウロウロしていたら、
先に入っていたおばさんが「桶あるよ〜」とケロリンの桶を差し出してくれた。
なるほどこれでかけ湯すりゃいいのか。
実はその日、他の温泉も巡っており、3回目の入浴だった。体を清めまくっている。
お湯は少しぬるめの設定で白濁の湯。熱いのは苦手なのでこれくらいがちょうどいい。
お湯は那須湯本では珍しく、アルカリ性だという。肌触りはまろやかな感じ。
男湯はだれも入っていないと言う事で最後に写真を撮らせてもらった。(覗きではない。)
先に入っていたおばさんは地元の人らしい。「どっから来たの?」「初めて?」「1人なの?」と質問責めにあう。
今まで温泉内で人に話しかけられた事はなかったので少し戸惑ったが、地元の人とのこういった交流もあったかくていいなと思う。
十分湯を堪能し、フロリダ。(風呂から離脱)
脱衣所へ戻った瞬間
べコォ!!!
タチの悪い落とし穴がある事を忘れてた。
全裸で生き埋めは勘弁してほしい。
なんとか床を破壊する事なく、着替え、外へでた。
温泉に入った後外の風に当たるのはとても気持ちがいいです。
この時期紅葉も綺麗。
老松温泉だけに関わらず、珍スポットやレトロなスポットはいつ廃業になるかが分からない。
行きたかったのに、閉店していた!は悲しすぎるので後悔しないよう、行きたいと思ったらすぐに行きたい。
老松温泉、廃墟マニアでなくても名湯の温泉としてとてもお勧めできます。
是非、皆さんも廃業になる前に訪れてみてはいかがでしょうか。
脱衣所の床にはお気をつけください。
では。
かるめ