旅行記

〜年間5万個をひとりで作る〜餅ばあちゃんの笹餅求めて津軽まで行ってきた

 

だんだん寒くなってきた11月中旬。コロナ太りを解消すべくジムへ向かった。

ランニングマシンで歩いている最中にNHKオンデマンドで「プロフェッショナル仕事の流儀〜餅ばあちゃんの物語」を視聴。

 

NHKのドキュメンタリー番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」はさまざまな分野で活躍中の一流に密着し、プロの仕事を徹底的に掘り下げる番組。忙しなくスケジュールをこなす出演者に合間を縫ってインタビュー、出演者を車の中まで密着…するとトラブル発生…出演者の苦悶の表情…なんとか仕事がひと段落、ポーンという効果音と共に名言が飛び出す。そして最後にシカオの曲で番組が終わる。

要約:ワタシ(プロフェッショナルファン)

 

•••とプロフェッショナルにはお決まりの型があるのだ。しかしこの餅おばあちゃんの動画はいつもと雰囲気が全く違った。

〜穏やかな風景、のどかな音楽、せっせと働きながらもニコニコと笑うおばあちゃん…〜

いつもの殺伐としたプロフェッショナルじゃない!!!!!!(褒めてる)

昔話の短編映画を見ているかのような感覚に陥る。ジムで早歩きしながらみる動画ではないと感じ、すぐ自宅に帰り改めてじっくりとみた。

ここからは餅ばあちゃんにすっかり感銘を受けてしまい、笹餅を求め青森まで行ってしまった人間のお話です。最後までお読みいただけると嬉しいです。

きっと笹餅が食べたくなるヨ
 

津軽でお餅を作り続ける”餅ばあちゃん”

まずは餅ばあちゃんのご紹介からしていく。番組に出ていたのは青森県津軽地方金木町に住む桑田ミサオさん。

桑田さんは60歳から笹餅作りを初め、75歳で起業。90歳を超えた今でも現役で笹餅を作り続けているというスーパーおばあちゃんだ。たった1人でなんと年間5万個も作っているという。

え、75歳で起業•••?90歳を超えて一人で毎日お餅作り•••?

アーリーリタイヤぬくぬく老後生活が夢な私にとって色々と衝撃的だった。映像に映された笹餅がなんとも美味しそう。ひょいと器用な手つきで餅を笹に包んでいく。

毎日楽しく過ごしていると笑顔でこたえる桑田さん。笹餅作り名人の笹餅食べたすぎるよ。飯テロの中でも笹餅テロをされたのは初めてだ。

桑田さんの笹餅を入手する方法

桑田さんの笹餅食べたァい!!!と思い調べてみると、金木町にあるスーパーで買えることが分かった。スーパーのHPで分かった情報は

・毎週火曜と土曜に出荷

・取り置きの予約は出荷日前日の14〜17時までの間に電話で行う

・地方発送は承っていない

ということ。つまり現地に行かねば買えない。しかも火・土限定。

よしゃ青森行くか〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!

と思いそのまま飛行機とホテルを予約。GOTOほんと安い笑い止まらん。

初青森だったので他にも行きたいところは色々あったが、金曜日の笹餅に合わせて全ての予定を組んだ。笹餅中心の旅を計画した人間はほかにいるだろうか。

いざ青森へ

 

羽田を経ち青森空港に到着するとあたり一面雪景色。ここ本当に同じ日本かよ。

 

前乗りしていたため青森市や五所川原を観光。観光に夢中でスーパーに電話予約をするミッションをすっかり忘れていた。アホか。

心の底から旅行を楽しんでいる時の写真

 

慌てて15:30頃に電話

「笹餅の予約ってまだできますか?」

お店の人「すみませんもう予約がいっぱいで…」

嘘だろ。笹餅人気を完全に舐めてた。

私「明日の朝一番に行けば買えますかね…?」

お店の人「おそらく買えると思います」

ここまで来て買えなかったらただのアホやろ…。ただ青森観光しに来たヤツやん…

明日は朝一番にスーパーに向かうことにし、早めに就寝。

 

朝イチで金木町へ出発

 

この日は五所川原に泊まっていた。9時開店と共にお店に入るべく、8時10分津軽五所川原駅へと向かう

津軽鉄道を走る走れメロス号。にわか太宰ファンなので軽く興奮。列車に揺られること約30分。芦野公園駅に到着。降りる人は私だけだった。

ここからさらに15分歩く。すれ違う人はほとんどいない。みんな車なんだろうな〜。こちとらペーパードライバーだよちきしょう

8時57分にスーパーへ到着。ちょうどええやん。さすがに買えるだろ

む!な、並んでいる…これもしやみんな笹餅目当て…???????

案の定ほぼ全員が笹餅コーナーへ向かう。まじかよ。笹餅人気舐めてた。和菓子コーナーにできる人だかり。

スーパーの和菓子コーナーに、朝イチから人だかりができることなんて他にあるのだろうか。記念撮影を撮っている人も多かった。地元の人々だけじゃなく遠方から来ている人もたくさんいるんだろうな。(でも私が一番遠くね?埼玉ぞ?)と心の中で距離マウンティングをとってしまった。

これが夢にまで見た桑田さんの笹餅!うおー感動〜〜〜〜〜〜〜〜

もし買えなかったら「これ買うために埼玉から来たんですよおぉぉぉぉぉォォォ1個分けてええええええええ」と27歳らしく駄々こねようと思っていたけど、その必要はなかった。

手作りポップもある。

ミサオさんの笹餅すごいな・・・。ここに来るために私のように津軽鉄道を利用しているお客さんもいると思う。スーパーの売上だけでなく津軽全体を盛り上げる一端を担っているよ。

無事ミッションを終え、笹餅を食べるべく芦野公園まで戻る。笹餅を食べる絶好のロケーションと言ったらやっぱ公園だろ。知らんけど

寒いし朝だし人がいない

羽田から飛行機に乗って列車を乗り継ぎ、雪の中スーパーまで歩きついに買えた桑田さんの笹餅。

感慨深い。ドキドキしてきた恋かな

笹へのこだわり

袋をあけ笹餅を取り出し、まず目についたのは笹の葉の色。

 

笹の若葉が採れるのは6月から10月半ばまで。桑田さんはその期間に1年分の笹を1人で採りに行く。そして笹を1枚1枚丁寧に洗い、布で水分を拭き取る。それだけでもかなりの重労働だ。なんという手間のかかり方だろう。笹餅を作り始める下準備からこんなに大変なことをしているのか…。私だったら洗いおわった笹の葉をどっかの業者に頼んでしまう。

笹餅は、生地を笹で包んでから蒸すのが一般的だが、それだと笹が茶色く変色してしまう。桑田さんは笹の色を鮮やかなまま仕上げるため、最初に生地だけを蒸し、仕上げに笹を包み少しだけ蒸すのだそう。ここにも桑田さんの強いこだわりが見て取れる。

この笹へのこだわりを知ったあとだったから、食べる前から笹をまじまじと見つめてしまった。パンダもびっくりの鮮やかさ。

ゆっくり笹を広げると…

お餅がつるんと出てきた。

実はここに来る前に別の場所で買った笹餅を食べたのだが、笹に餅が糊のようにくっつき食べるのに苦労した。

別の笹餅。味はとっても美味しかったが

餅が笹にくっつき、笹も少々変色してしまっている

桑田さんの笹餅を食べてみるととっっても柔らかくてなめらか!お、美味しい・・・甘味もちょうど良く、笹の上品な香りがする。

しみじみ食べているとなんだかいろんな感情が込み上げてきます。美味しい笹餅を求め何度も何度も改良を重ね、丁寧に手間暇かけて作られた笹餅。人々に喜んでもらいたいという桑田さんの想いが伝わってきました。はるばる津軽まで来てよかったな。

終わりに

自分がウルトラスーパーハイパー飽き性だからだろうか、○○を作り続けて何十年〜のようなフレーズにてんで弱い。何十年も同じことを繰り返し、その道を極められる人って本当すごいな。いやもうすごすぎるよ。

桑田さんがお母様から教わったという”10本の指は黄金の山”という言葉。

10本の指さえ動かしていればお金に困ることはないという意味だそう。私も手仕事大大好き人間なのでこの言葉は心に刺さりました。指よ、ありがとう。お金稼いでくれたまえ、指。桑田さんを見習って私も日々精進いたします。

(でもアーリーリタイアしたい)

 


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